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受賞

閃
2022/12/26

『通信簿の少女を探して』文化庁芸術祭テレビ・ドキュメンタリー部門優秀賞を受賞!

8月14日にBS-TBSで放送された『通信簿の少女を探して~小さな引き揚げ者 戦後77年あなたは今~』が文化庁芸術祭テレビ・ドキュメンタリー部門において、優秀賞を受賞しました。

通信簿の少女を探して写真

【受賞理由】
ネット通販で購入した本に挟まっていた戦後間もない頃の通信簿。最優秀の成績だが、クラスの中でやや浮いた印象の一人の少女を探し始める導入はスリリングだ。足跡をたどる旅を通して大陸からの引き揚げ者の運命と、敗戦を挟み180度変わった歴史の断面が浮かび上がる。戦争を考えさせる人間ドキュメントとしてとても興味深く、意義深い番組となった。

【企画・演出 匂坂緑里氏 受賞コメント】
6年前にネット通販で買ったゴーギャンの古本に一葉の通信簿が挟まっていました。
昭和22年に別府の小学6年生だった少女のものでした。
私はその通信簿がとても気になりました。成績は「オール優」とずば抜けて良いのにも関わらず、担任の先生が記していたのは「人望がない…」という厳しいコメント。さらに保護者の欄は母親の名前だけだったのです。戦後2年の温泉地・別府で、この少女に何があったのか…通信簿を少女に届けたい、というまったく個人的な思いからこの旅は始まりました。
けれど手掛かりはあまりに少なく、一人東京から細々と探していたのですが、なかなか少女にはたどり着けません。
それが今年、番組の企画として出したところ採択されたため、別府に行き本格的に少女探しを始めることになりました。正直、少女が見つかるとは思っていませんでした。ご存命なら87歳なのです。。。
別府の町で少女探しを始めて、驚きました。相談したほとんどすべての方が、異様な熱意をもって捜索に加わってくれるのです。まるで、置いてきてしまった自分の過去の分身を集めるかのように。
そして導かれているとしか言いようのない多くの奇跡が線となってつながっていった先に、少女がいたのです。少女の生涯は、日本のもう一つの歴史ともいえる、波乱に満ちたものでした。

どこに帰着するのかわからず、撮り始めても本当に番組にできるのかずっと不安だった1年でしたが、形にすることができ、賞までいただくことができ、とてもうれしいです。
少女とそのご家族、別府のみなさま、そして途中から伴走してくれた尾賀さん、取材に加わってくれた渡辺さん、蓑野さんに心から感謝いたします。ありがとうございました。

文化庁芸術祭 受賞紹介ページはこちら
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/93808501.html

『通信簿の少女を探して~小さな引き揚げ者 戦後77年あなたは今~』公式サイトはこちら
https://bs.tbs.co.jp/news/tsushinbonosyojo/

BS-TBS『通信簿の少女を探して~小さな引き揚げ者 戦後77年あなたは今~』
語り 仲村トオル
旅人 三浦透子
構成:田代裕
プロデューサー:初瀬川啓太(BS-TBS)

TBSスパークルスタッフ
企画・演出:匂坂緑里
プロデューサー:尾賀達朗
取材ディレクター:渡辺晃介、蓑野由希
アシスタントプロデューサー:北澤治絵