CREATORS

クリエイター

閃
01
ドラマ + 映画

塚原 あゆ子

プロデューサー・ディレクター
エグゼクティブクリエイター職

エンタテインメント本部 ドラマ映画部
プロデューサー・ディレクター。1997年入社。2019年TBS日曜劇場『グランメゾン東京』『グッドワイフ』(ともにTBSテレビ制作)、2018年TBS金曜ドラマ『アンナチュラル』をはじめ、多数の作品を演出。2018年、映画『コーヒーが冷めないうちに』で映画監督デビュー。

今の時代を見つめて、人を深く切り取る。

ドラマのTBS。なぜそう言われるのでしょう。個人的には、登場人物を切り取る「深さ」にあると思っています。曜日や時間帯によってさまざまなタイプのドラマがありますが、ある程度の深みをもって人を切り取っている。ドラマはやはり、その時代に向けて発信しているもの。反響もリアルタイムです。時代との距離感というか、「今のドラマって、なんだろう」、「今の人たちは、どんなことを感じているんだろう」と考えられた企画が揃っている。それがドラマのTBSと言われる所以じゃないかと思いますね。

私も監督するとき、その曜日その時間帯に見る視聴者を意識します。小道具ひとつにしても、登場人物の背景やライフスタイル、作品の世界観などを考え尽くして作っています。今を見つめて作っているから、人を深く切り取ることができるんだと思います。演出のイメージを再現してくれる技術部や美術部、緑山スタジオなど、制作環境に恵まれていることも下支えになっています。

この仕事を始めたころ、会社に女性の監督はいませんでした。業界を見渡しても、圧倒的に少なかった。「女性は監督になれない」、それが当時の常識でした。でも今は、とても多くの女性が活躍しています。常識は、時代と共に変わっていくのだと思います。

入ったのはドラマを作る会社でしたが、今は違います。バラエティ番組、情報番組、報道番組、アニメーション、CM、PV……、幅広いジャンルの映像制作をする会社になりました。最近はアニメに興味があるので、その分野のクリエイターたちとのコラボレーションも考えています。同じ漫画原作の作品でもアニメとドラマでは、台本のつくり方、尺の使い方、カット割りなど、映像化の方法は異なりますから。作品へのアプローチを変えたら、もっと深く人を切り取れるかもしれない。ドラマ制作の新常識というか、新たなスタンダードが生まれる可能性も秘めていると思うのです。

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WORKS

TBS 火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』プロデューサー

TBS 金曜ドラマ『MIU404』プロデューサー

TBS 日曜劇場『グランメゾン東京』ディレクター

TBS 日曜劇場『グッドワイフ』ディレクター

TBS 金曜ドラマ『アンナチュラル』ディレクター

映画『コーヒーが冷めないうちに』監督

02
バラエティ

山口 伸一郎

総合演出・チーフディレクター

エンタテインメント本部 / 総合演出・チーフディレクター。テレビ番組制作会社、フリーランスを経て2005年入社。TBS『ラヴィット』TBS『東大王』TBS『ジョブチューン』にて総合演出を担当。現在、エンタテインメント本部副本部長。

点の演出と、線の演出。

総合演出を務める『東大王』は、東大生チームと芸能人チームが戦うクイズバラエティ。「答えを知るまでは、チャンネルを変えさせないクイズ」を意識して、番組をつくっています。それはクイズ問題一つひとつの難易度やテーマ、どう出題してどう解答するかというクイズコーナーの企画、番組全体の流れのつくり方や演出に至るまで、すべてに言えることです。

抜群に「面白いこと」があったとしても、それをただ並べているだけでは「面白い番組」にはならない。単調になってしまい「最後まで見なくてもいいや」と思われてしまうから。その一問をどう見せるか、瞬間の面白さである「点の演出」は大切ですが、番組全部をひとつのストーリーと考え、どうエンディングに繋げていくかという「線の演出」も大切です。このコーナーを制するのはどのチームか、最終的に勝つのはどのチームか、冒頭で設定した目標をクリアできるのか、できないのか、などです。 どうやったら番組を最後まで見てもらえるかを常に考え、実践してきた私たちには「点の演出」と「線の演出」どちらのノウハウもあります。

また、最近のバラエティ番組を見て感じるのは、視聴者の興味の対象が随分変わってきたな、ということ。一昔前は、豪邸訪問みたいな番組もありましたが、最近は見かけなくなりました。非日常の象徴としての豪邸の暮らし。逆に今は、身近なものをテーマにした番組が支持されています。ベクトルは真逆なように感じます。見ている人にとって身近なモノやコトを、どういう切り口でエンタテインメントにしていくか。個人的に取り組んでいきたいテーマです。

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WORKS

TBS『ラヴィット!』総合演出

TBS『東大王』総合演出

TBS『ジョブチューン 〜アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』総合演出

03
バラエティ

岩木 伸次

ディレクター

エンタテインメント本部 バラエティ部 ディレクター。在京のテレビ番組制作会社、フリーランスを経て2018年入社。担当番組は、TBS『マツコの知らない世界』、TBS『ジョブチューン』など。

独自の切り口で、エンタテインメントする。

私が担当する『マツコの知らない世界』は、マツコ・デラックスさんと、あるテーマに詳しいゲストが繰り広げるトークバラエティ。番組名に「知らない世界」とありますが、これは奇抜なテーマというより、アプローチだと考えています。「バラを愛でる人」は知っているけれど、「こんな風にバラを愛でる人」は知らないというか。それだけにゲスト選びは重要で、まさに番組の生命線。1〜1.5カ月じっくり時間をかけて決めています。

ゲスト候補はテーマごとに10〜20名をリストアップ。ときには専門のリサーチ会社に依頼して、あらゆる可能性を探ります。候補が決まれば、全員に会いに行きます。「どういう番組の展開ができるか」、「マツコさんと絡んで面白くなるか」など考えながら、2時間ほどお話を聞きます。面白いなと思うのが、候補者自身がきっかけに気づいていないとき。候補者にしたら「好きな状態=普通」。理由を尋ねても「なんかハマっちゃって」と、上手く説明できない人も少なくありません。そんなときは候補者と一緒に生い立ちから人生を振り返って「好き」の奥底にあるもの、個性的というか変わった人になったきっかけを探していくんです。例えば、自分が担当したバラの回。ゲストは夫と息子が2人の5人家族。インタビューの最初は「なんかハマってしまって」と答えていたんですが、一緒に人生を振り返っていくと「実は娘が欲しかった」という話になって。本人も気づかないうちに、娘→可愛い→バラの花と変換され、注げなかった娘への愛情をバラに注いでいたと分かったんです。

表面的な面白さや見た目のインパクトよりも、内面的なユニークネス。ゲスト選びは時間を要する作業ですが、番組独自の持ち味や面白さに直結するので、頑張りどころだと思っています。独自のノウハウとネットワークを駆使して「面白い」を見つけ出し、独自の切り口でエンタテインメントにしていく。私たちが得意とするところです。

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WORKS

TBS『ジョブチューン 〜アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』 ディレクター

TBS『マツコの知らない世界』 ディレクター

04
ドキュメンタリー

江夏 治樹

ディレクター

2004年入社。事業部で企業映像の制作、TBS宣伝部でドラマのタイトルバック制作などを経験。BSジャパン(現・BSテレ東)の紀行番組『写真家たちの日本紀行』のディレクターを経て、2010年より『世界遺産』のディレクターを担当。

見たことがないものを、驚くような映像で届けたい。

TBS『世界遺産』は20年以上続くドキュメンタリー番組。支持を得ている理由のひとつに「圧倒的な映像の力」があると思います。視聴者が見たことがないものを、驚くような映像で届ける。私たちが大切にしているところです。

放送1000回記念スペシャルで取りあげた、エクアドルの「サンガイ国立公園」。とても印象に残っています。標高5260mのサンガイ山は、今も噴火を繰り返す活火山。危険な上に辿り着くのも困難なため、山頂を目指す人はほとんどいません。ロケは往復12日間のテント生活。登山口から山頂アタックのベースキャンプまで、運んだ荷物の総重量は約1トン。夜10時に山頂アタックを開始し、ベースキャンプに戻れたのは翌日の夕方6時。これまでのロケでもっとも過酷でした。「いい映像を撮るんだ」という思いが、日本のテレビ初登頂を成功させたのだと思います。

また『世界遺産』では、ハイビジョン、4Kカメラ、ドローンなど、他番組に先駆けて取り入れてきました。自らNAB Show(全米放送協会が主催する世界最大の放送機器展)などへ行き、撮影機材・撮影技術に関する情報収集をすることも。さらに、個人的にも、色んなカメラマンに話を聞き、最新の撮影機材・撮影技術に関する情報収集をしています。これまでにない機材が出てくれば、これまでにない映像表現が可能になりますから。今後「この機材で撮る画が映える場所はどこか」という視点でロケ地を選ぶことが、あるかもしれません。

TBSグループとしては、長年の番組制作で培ってきた海外取材ネットワークが強みだと思います。『世界遺産』制作チームにも同業他社から「海外ロケでここに行きたいんだけど、コーディネーターを紹介してくれないか」という問い合わせもあるほどです。

未踏の地に分け入ることだったり、天候条件が整うまで粘り強く待つことだったり、撮影できるよう粘り強く交渉することだったり、最新の高性能機材を導入することだったり。できることはたくさんあります。日々精進。これからも見ている人が驚くような映像を届けていきたいです。

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TBS『世界遺産』 ディレクター

05
報道

寺川 祐介

記者

ニュース情報本部 編集番組センター ニュース制作部 TBSテレビ報道局社会部 2003年入社。夕方のニュース番組、朝の情報番組などのディレクターを経て、入社当初から担当したかった『NEWS23』には6年半在籍。2018年7月よりTBSテレビ報道局社会部記者。司法記者クラブで裁判や検察の担当を経て、現在、日々のOA業務などを内勤として担当。

記者は、人間性も問われている。

事件を扱う仕事柄、亡くなった方の遺族に取材することもあります。ときには「帰ってくれ」と言われることも。記者としては、深く伝えるために当事者の声を伝えたい。一人の人間としては、話す気分になれない当事者の気持ちも分かる。葛藤です。それでも「こんな事件が二度と起きてはいけない」と、何度も通って取材協力をお願いします。誠実に向き合っていくしかありません。かなわないときもありますが、意を決して話してくださることもあって。「覚悟を決めたな」って分かる瞬間があるんです。

ある殺人事件で、奥さんを亡くした旦那さんに取材したときのこと。事件現場は自宅、第一発見者は旦那さん。最初は話してくれませんでしたが、何度も通い、手紙を書き、取材を受けてくださることに。旦那さんの覚悟が伝わってきたので、踏み込んでいろいろ聞きました。以前だったら躊躇して、聞かなかったような質問も、たくさん。写真や動画の提供も依頼しました。写真はすぐに提供してもらえたのですが、動画はないと最初は断られて。「見ている人に、どんな人だったか知ってほしいので」、「感情移入して事件を考えてほしいので」。何回もお願いしました。後日、提供いただいた短い動画には、喋っている奥さんの姿がありました。ニュースVTRの冒頭で動画を使って放送したところ「生きている妻に会えた気がした」との感想。「誠実に向き合うって、こういうことかもしれない」。自分を成長させてくれた取材ですね。 意を決した相手と、本気で向き合えるか。相手が覚悟したときに、遠慮しないで取材できるか。受け止める覚悟はあるか。人間性が問われる仕事だなと思います。

テレビを見る人が減っている。よく言われています。それは、ニュースを見る人が減っているということでしょうか。ネットやスマホなど見る側のデバイスは多様化しています。でも、取材してニュースを作って発信することに変わりはありません。発信するメディアが増えるほど、問われるのは質だと思います。ここには、あらゆる分野に精通した記者がいます。ディレクターをはじめカメラや編集など、ニュースに必要なすべての人材がいます。いち早く、分かりやすく発信するノウハウは、長年蓄積してきた私たちの強みです。

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TBS『NEWS23』 ディレクター

06
報道 + 情報

上田 淳

プロデューサー

1993年入社。TBS『ブロードキャスター』のディレクターとして長年携わり、その後TBS『新・情報7days ニュースキャスター』でプロデューサーを務める。
現在はスポーツ部門へ異動、報道・情報番組での経験を活かし、更に自身のフィールドを広げている。

ニュースを掘り下げ、人間を掘り下げていく。

『新・情報7days ニュースキャスター』は、週末土曜の夜に一週間のニュースを振り返る番組。大きなニュース、小さなニュース、さまざま扱っています。大切にしているのは、独自の視点。数ある中から取りあげるニュースを選ぶ際は、ただの振り返りにならないよう「実はこんな裏がある」などの新たな「発信」ができるようにしています。違う角度からニュースを見つめることで、これまでとは違う考え方が出てきます。他と同じことはしない。他が目をつけていない角度から、ニュースを見つめる。40人のスタッフ全員が共有している姿勢です。

ニュース報道番組の醍醐味。それは今まさに起きた出来事を伝えられること。現在進行形の「見たことがないニュース」に勝てるものはありません。その点においては、ビートたけしさんの発言もひとつのニュース。視聴者が期待している部分でもあります。とても真面目でジャーナリストの視点もお持ちで、本質を突く発言をなさるので、どのニュースでスタジオに切り替えたらいいか、どうしたら視聴者が面白がってくれるか、考えながらやっていますね。

ただ、2019年には、番組にとって大きな変化がひとつありました。これまで、視聴率のメインターゲットは50歳以上の男女でした。それが、2019年4月、突然TBSテレビ編成局から『今後はファミリーコア(13歳から59歳)を重視していく』と…。番組の首脳陣も、いわゆる“おじさん”世代がほとんどのため、方針転換には少なからず抵抗感がありました。 そんな中、転換点となったのは、若手ディレクターが企画した、「ASMR(咀嚼音など)の動画が若者の間で流行っている」という特集でした。視聴者の反応が心配でしたが、ふたを開けてみると、これまでの視聴者はそのままに、若い人の視聴率も伸びていたんです。 これまでだったら会議で通っていなかったであろう“若い人を意識した企画”が、ちゃんと視聴率をとっていて、それが私たちの意識を変えるきっかけにもなっていて、「すごく大事だけど難しいニュース」は、若い人たちにも興味を持ってもらえるよう、どうポップに見せるか、を試行錯誤しています。

番組制作チームの『若い人の意見をどんどん取り入れる』というスタンスがあったから、こういった場面でも、若い力を発揮してもらいやすく、それがいい結果につながったんだと思います。

(以上のインタビューは『新・情報7days ニュースキャスター』時代のものである。)

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TBS『新・情報7days ニュースキャスター』 プロデューサー

07
ディレクター

山本 創

ディレクター

2003年入社。TBS『ニュースの森』スポーツコーナーサブディレクター、TBS『NEWS23』スポーツコーナーディレクター、TBS『S☆1』ディレクターを経て、中継制作部へ。サッカー、バレーボールを中心とした番組演出、中継演出を経験。現在は、スポーツ番組制作部で『東京VICTORY』の演出を担当。

アスリートたちの挑戦は、それ自体がドラマになる

スポーツに、同じ試合は2度とありません。アスリートたちは、その試合その一瞬に、最高のパフォーマンスを発揮するため、とても多くの準備をしています。オリンピック選手であれば、4年の歳月をかけて、です。私たちは多くのアスリートを間近で取材してきました。彼らが何を考え、何に苦しみ、何を喜び、何と戦っているのか。伝えることなくして、スポーツエンタテインメントは成り立たないと思っています。

また、アスリートの挑戦や試合は、それ自体がドラマになります。試合会場で活躍する姿だけでなく、試合中には見せない姿も深くすくい取る。感情移入できるコンテンツとして、立体的に視聴者に伝えていく。そのときに気をつけているのが、いい意味で過剰演出や脚色をしないこと。真面目さ、ひたむきさも、私たちが大切にしているところです。

スポーツ中継の技術にも日々新たな技術が登場しています。専門の技術部門と検討しながら新しい機材・技術の導入も進めています。

現在、2020年の東京オリンピック・パラリンピック関連番組である『東京VICTORY』の演出をしています。この4年に一度の大会に照準を合わせ、選手たちは、日々練習、努力しています。番組では、結果論だけでなく、選手ぞれぞれの十人十色のこれまで人生過程と協議の魅力を紹介。視聴者に「スポーツっておもしろいんだな」と思ってほしいです。人生に二度あるかないかぐらいの一大行事に、番組を演出として担当できているのは、幸せだなと思っています。

WORKS

TBS『東京VICTORY』演出

TBS『2018 ワールドカップ ロシア』演出

TBS『高校女子サッカー』演出

TBS『世界バレー』演出